この記事の結論
・日焼け止めは表示どおりの量を塗ると、顔だけで1本1か月半ほどで無くなります
・「1本が1シーズンもった」なら、それはSPFの測定条件の半分以下しか塗れていないという意味です
・だから比べるべきは容器の値段ではなく1日あたり。この記事の2点では2倍以上の差がつきました
日焼け止めは「1本いくら」で選ばれがちな商品です。しかし実際に効くかどうかは、塗る量で決まります。そして表示どおりの量を塗ると、多くの人が思っているよりずっと早く無くなります。
この記事では、当サイトが毎日価格を記録している2点を使って、規定量で使ったときに1日いくらになるのかを出します。
比べ方:SPFの測定条件から必要量を出す
SPFやPAの数値は、肌1cm²あたり2mgを塗った状態で測定されています。これは国際的な試験方法で決まっている条件です。この量を塗らなければ、パッケージのSPF50+は出ません。
- 成人の顔の面積はおよそ400cm²を目安に計算します
- 400cm² × 2mg = 1回あたり約0.8g(顔だけの場合)
- 汗や皮脂で落ちるため、1日2回塗り直すとして計算します
- つまり1日あたり約1.6g。ここを分母にします
- 金額はポイント込みの実質価格を使います(実質価格とは)
この0.8gという数字が、この記事でいちばん動く前提です。顔だけか、首や腕まで塗るかで必要量は何倍にもなります。塗り直しが1日1回なら半分、3回なら1.5倍です。自分の使い方で計算し直せるように、分母を先に書いておきます。
なお本記事ではmlとgを同じものとして扱います。厳密には比重が1ではありませんが、日焼け止めの比重は1に近く、この比較の結論を変えるほどの差にはなりません。
アネッサ パーフェクトUV スキンケアミルク 60mL
資生堂のミルクタイプです。SPF50+ / PA++++。汗や水に強いタイプとして位置づけられており、屋外で長時間過ごす用途を想定した設計になっています。
この商品を追跡登録するとき、同じ出品の中で「スキンケアミルク/マイルドミルク/ジェル/ブライトニング」を選べる形式のものが多くありました。名前が近く、価格も同じ。どれを選んだかで中身が変わります。注文画面で選択肢を確認してください。
ビオレUV アクアリッチ ウォータリーエッセンス 70g
花王のジェルタイプです。こちらもSPF50+ / PA++++。水のような伸びで、量を多く使いやすいのが特徴です。規定量を塗るという観点では、これは実用上の利点になります。
こちらも容量の刻みが多い商品です。70g・155g・50gが並び、当然ながらgあたりは変わります。大容量ほどgあたりは下がる傾向にありますが、開封後に使いきれるかは別の問題です。
「去年の日焼け止め」をメーカーはどう言っているか
訂正します。この記事は最初、下の確認事項に「翌シーズンへの持ち越しは推奨されていません」と書いていました。メーカーがそう言っているかを確かめずに書いた一文でした。確かめたところ、そうは書かれていませんでした(2026年8月28日に確認)。
花王は「今年買った日焼け止めが残ってしまったけれど、来年の夏にまた使えるの?」という質問にこう答えています。
ホコリや雑菌などの混入や思わぬ高温のような保管環境によって変質するおそれがあります。……高温多湿のところを避け、直射日光の当たらない状態で保管し、できるだけ早く使い切るようにしましょう。
花王 製品Q&A
「持ち越すな」ではなく「保管状態しだいなので、状態を見て判断してほしい」という書き方です。いつもと違うにおいがしたり色が変わっていたら使わない、というのが判断のしかたとして示されています。未開封であれば、花王のUV製品は「製造から少なくとも3年」で設計されています。
むしろ花王は、日常用のタイプなら年間を通して使うことを勧めています。紫外線は季節を通して降っているからです。そう考えると「1シーズンで使い切る量を買う」という前提自体が、この商品には合っていないかもしれません。当サイトの試算は1日あたりで出しているので、年間を通して使う人にはそのまま当てはまります。
1日あたりに直すと
| 商品 | 容量 | 実質価格 | 1gあたり | 1日あたり(1.6g) |
|---|---|---|---|---|
| アネッサ スキンケアミルク | 60mL | 1,466円 | 約24.4円 | 約39円 |
| ビオレUV アクアリッチ | 70g | 719円 | 約10.3円 | 約16円 |
この表の価格と単価は、当サイトが毎日取得している価格から自動で計算しています。以下の文章は2026年8月18日時点の数字をもとに書いています(2026年10月2日に見直し、金額は当時のまま成り立っていることを確認しました)。
⚠ただし、アネッサのこの値段を出している店は2026年10月2日時点で2店だけです(同じ60mLを30店が出していて、中央の店は1.6倍ほど)。棚の中央の値段なら、1日あたりは上の表の1.6倍ほどになります。当サイトはその日いちばん安い店を記録する設計なので、表の値段は「1店でも出していればその値段」です(同じ商品が店によっていくら違うか)。
1日あたりでアネッサ約39円、ビオレUV約16円。2倍以上の差です。ひと夏を90日とすると、差額は約2,000円になります。
1本が何日もつか
ここが本題です。上の計算を裏返すと、1本が何日もつのかが出ます。
| 商品 | 容量 | 1日1.6gで使うと |
|---|---|---|
| アネッサ スキンケアミルク | 60mL | 約37日 |
| ビオレUV アクアリッチ | 70g | 約44日 |
顔だけでも1か月半ほどで無くなります。首や腕にも塗るなら、その半分以下です。
ここから逆算できることがあります。「去年買った1本がまだ残っている」「1本でひと夏もった」という場合、塗っている量は測定条件の半分以下だということです。SPF50+と書かれた製品を、SPF50+として使えていない可能性が高くなります。
つまり日焼け止めは「安く買う」よりも「必要な量を塗れる価格のものを選ぶ」ほうが実質的です。高いものを節約して薄く塗るくらいなら、安いものを規定量塗ったほうが、日焼け止めとしては機能します。
同じ考え方はシャンプーとクレンジングでも書きました。単価の分母は「量」ではなく「使う回数」に置くべきです。
それでも高いほうを選ぶ理由
- 耐水性。汗をかく場面・水に入る場面では、落ちにくさが実際の防御力を左右します
- 肌に合うかどうか。合わないものを安く買っても使い続けられません。ここは価格で決める部分ではありません
- 使用感。べたつくと塗り直しが億劫になり、結果として量が減ります。塗り直しやすさは価格に換算されない性能です
買う前に確認する4つ
- 容量。同じ銘柄で50g・70g・155gが並びます。価格ではなくgあたりで見てください
- タイプ。ミルク・ジェル・スプレーで中身が違います。同じ出品で選べる形式のものは選択肢を確認してください
- どこに塗るか。顔だけか、体まで塗るかで必要量は何倍にもなります
- 開封後に使いきれるか。大容量ほどgあたりは下がりますが、開けたぶんは早めに使い切ることをメーカーが勧めています(下記)
まとめ
- 1gあたりはアネッサ約24.4円、ビオレUV約10.3円(毎日更新)
- 顔だけ・1日2回の規定量なら1日あたり2倍以上の差(8月18日時点)
- 規定量で塗ると1本は1か月半ほどで無くなる
- 1本がひと夏もったなら、SPF表示どおりには機能していない可能性が高い
- 耐水性・肌との相性・塗り直しやすさは価格に換算されない性能
結局どれを買うか
毎日たっぷり使いたい、日常の紫外線対策ならビオレUV。1日あたりが安く、伸びがよいので規定量を塗りやすいのが実用上の利点です。量を惜しまずに使えることが、日焼け止めでは最大の性能になります。
汗をかく場面・水に入る場面が中心ならアネッサ。1日あたりは高くなりますが、落ちてしまえば単価の議論そのものが無意味になります。使う場面で選んでください。
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