この記事の結論
・虫よけはmLあたりで比べてはいけません。有効成分も濃度も、法律上の分類も違うからです
・選ぶ基準は価格ではなく「誰が使うか」と「何時間必要か」です
・イカリジンには年齢制限がありません。ディートは子どもへの使用回数に目安があります
当サイトは日用品を単価で比べるサイトです。しかし虫よけについては、単価で比べないほうがいいという結論になりました。その理由を書きます。
200mLどうしで価格差は4割ほどあります。それでも「安いほうを買えばいい」とは言えません。入っているものが違うからです。
2つは同じ棚に並ぶが、同じものではない
虫よけの有効成分は、日本で流通しているものの多くがディートかイカリジンのどちらかです。
| ディート | イカリジン | |
|---|---|---|
| 使用実績 | 古くから使われている | 比較的新しい |
| 子どもへの使用 | 年齢ごとに使用回数の目安あり | 年齢制限なし |
| においや刺激 | 独特のにおいがある | においが少ない |
| プラスチックへの影響 | 溶かすことがある | 影響しにくい |
さらに同じ成分でも濃度が違います。ディートは10%前後の製品と30%の製品があり、高濃度のものほど効果の持続時間が長くなります。30%配合の製品は「第2類医薬品」として、それより低濃度のものは「防除用医薬部外品」として売られており、法律上の分類そのものが違います。
つまり200mLという数字が同じでも、1回に使う量も、1回で守れる時間も違います。これは濃縮タイプの洗剤と同じ構図です。濃さの違うものを容量で割っても、比較にはなりません。
サラテクト リッチリッチ30 200mL(ディート30%)
アース製薬の高濃度タイプです。ディートを30%配合した第2類医薬品で、マダニやブユ(ブヨ)まで対象に含まれます。
登山やキャンプなど、長時間屋外にいる場面を想定した製品です。第2類医薬品なので、購入時に薬剤師や登録販売者からの情報提供の対象になります。使用上の注意、特に小児への使用回数の目安は、必ず添付文書を読んでください。
スキンベープ ミスト イカリジン 200mL
フマキラーのイカリジン製品です。年齢制限がなく、赤ちゃんにも使えます。においが少なく、衣類の素材やプラスチックへの影響も出にくいのが特徴です。
この商品を追跡登録するとき、同じシリーズで「プレミアム」「無香料」「フレッシュサボンの香り」が並びました。イカリジンの濃度が違う製品もあるため、同じブランド名でも中身が同じとは限りません。
mLあたりに直すと(そして、それが使えない理由)
| 商品 | 容量 | 分類 | 実質価格 | 1mLあたり |
|---|---|---|---|---|
| サラテクト リッチリッチ30 | 200mL | 第2類医薬品 | 686円 | 約3.4円 |
| スキンベープ イカリジン | 200mL | 防除用医薬部外品 | 495円 | 約2.5円 |
この表の価格と単価は、当サイトが毎日取得している価格から自動で計算しています。以下の文章は2026年10月11日時点の数字をもとに書いています(2点とも8月18日の公開以来、実質価格は1円も動いていません)。
mLあたりではイカリジンのほうが約3割安くなりました。しかし当サイトは、この数字を根拠に「こちらが得です」とは書きません。
理由は1回で守れる時間が違うからです。持続時間が2倍なら、塗り直しの回数は半分で済みます。持続時間まで含めた「1時間あたり」を出せれば正しい比較になりますが、その数値は製品ごとの試験条件に依存し、店頭で確認できる形にはなっていません。当サイトが公開データから出せるのはmLあたりまでで、そこから先は出せません。
もうひとつ、片方にしか数字が無いという理由があります。フマキラーは自社のよくあるご質問で、スキンベープの1本あたりの回数を数字で書いています(2026年8月28日に確認)。
大人:約55回(1日1回、片腕、片足にそれぞれ2〜3回ずつスプレーしたとき)/3歳ぐらいの子供:約83回(1日1回、片腕、片足にそれぞれ1〜2回ずつスプレーしたとき)
フマキラー よくあるご質問
アース製薬のサラテクトで、これに当たる数字は見つかりませんでした。公表されているのは年齢別の1日の使用回数の目安(12才以上は制限なし、2才以上12才未満は1日1〜3回、6ヵ月以上2才未満は1日1回)だけです。
だから、この2点を「1回あたり」で並べることはできません。片方にだけ分母があるからです。当サイトは他の商品でも同じ判断をしています——洗顔料も、片方にしか指定量が無かったので「1gあたり」に統一しています。数字が片方にしか無いとき、無理に並べると、数字のあるほうだけが正確に見えます。
⚠ スキンベープ側の回数も、そのまま他社と比べてはいけません。フマキラーは60mLの製品では「大人は片腕に約5〜6回」と書いていて、200mLの「2〜3回」とは押す回数そのものが違います。ノズルの吐出量が製品ごとに違うからです。押し回数は、同じブランドの中ですら容量をまたいで比べられません。
出せない数字を出さないのが、このサイトの立場です。同じ判断を掃除用洗剤でもしています。
では何で選ぶか
- 子どもに使うならイカリジン。年齢制限がないという一点で、判断はほぼ決まります
- 長時間の屋外・マダニやブユが気になる場所なら高濃度のディート。ここは価格で妥協する部分ではありません
- 日常のちょっとした外出ならイカリジンか低濃度タイプ。高濃度を毎日使う必要はありません
- 衣類や時計・メガネに触れるならイカリジン。ディートは樹脂を傷めることがあります
虫よけは、効かなければ価格の議論そのものが無意味になる商品です。刺されてから「安く買えた」と思う人はいません。
買う前に確認する4つ
- 有効成分と濃度。パッケージに必ず書いてあります。ここを見ずに価格で選ばないでください
- 誰が使うか。子どもに使うなら年齢に関する記載を先に読んでください
- 対象の虫。蚊だけか、マダニ・ブユまで必要かで選ぶものが変わります
- 容量。60mL・100mL・200mLが並びます。同じ成分・同じ濃度どうしなら、mLあたりで比べて構いません
まとめ
- mLあたりはサラテクト約3.4円、スキンベープ約2.5円(毎日更新)
- ただしこの数字で優劣は決まらない。成分・濃度・分類が違う
- イカリジンは年齢制限なし。子どもに使うならここで決まる
- 高濃度ディートは持続時間が長く、マダニ・ブユまで対象
- 同じ成分・同じ濃度どうしなら、mLあたりで比べてよい
結局どれを買うか
子どもがいる、日常の外出で使う、においが気になるならイカリジン。年齢制限がなく、家族で1本を共用できます。mLあたりも安くなりました。
登山・キャンプ・草むら、マダニやブユが気になる場所なら高濃度のディート。第2類医薬品です。使用上の注意、特に小児への使用回数の目安を必ず読んでから使ってください。
なお当サイトは医療や薬事の専門サイトではありません。使用方法と注意事項は、必ず製品の表示と添付文書を確認してください。
商品情報の取得には 楽天ウェブサービス を利用しています。

