この記事の結論
・「粉末は液体より安い」は成り立ちませんでした(2026年8月24日時点)。粉末の1回あたりは、液体3点のあいだに収まります
・差を作っているのは粉末か液体かという形ではなく、その製品が1回に何g使う設計かです。指定量は10gから30gまで3倍ちがいます
・粉末は1回30g、超濃縮の液体は1回10g。1gあたりが安くても、3倍使えば逆転します
洗濯洗剤には液体・ジェルボール・粉末の3つの形があります。「粉末は水を運んでいないぶん安い」という説明はよく見かけます。本当にそうなのかを、各社の指定量で確かめました。
金額はポイント込みの実質価格です(実質価格とは)。
比べ方:各社の指定量を使う
この記事は当初、粉末も液体もすべて「1回25g」として計算していました。それは誤りでした。各社の表示を確認したところ、指定量は次のようにばらついています。
| 商品 | 形 | 水30Lあたりの指定量 |
|---|---|---|
| 部屋干しトップ 除菌EX | 粉末 | 30g |
| アリエール ジェル つめかえ | 液体 | 30mL |
| ボールド ジェル 超特大 | 液体 | 27mL |
| アタックZERO つめかえ用 | 液体(超濃縮) | 10g |
| ジェルボール | — | 1個 |
いちばん少ない製品といちばん多い製品で3倍です。ここを揃えずに1gあたりを並べても、買い物の役には立ちません。mLとgが混在していますが、洗剤の比重はおおむね1に近いため同じものとして扱っています。
洗濯1回あたりに直すと
| 形 | 商品 | 実質価格 | 1gあたり | 洗濯1回あたり |
|---|---|---|---|---|
| 液体(超濃縮) | アタックZERO つめかえ 760g | 804円 | 約1.06円 | 約10.6円 |
| 液体 | ボールド ジェル 超特大 690g | 433円 | 約0.63円 | 約16.9円 |
| 粉末 | 部屋干しトップ 除菌EX 900g | 589円 | 約0.65円 | 約19.6円 |
| 液体 | アリエール ジェル つめかえ 1000g | 915円 | 約0.92円 | 約27.5円 |
この表の価格と単価は、当サイトが毎日取得している価格から自動で計算しています。以下の文章は2026年8月24日時点の数字をもとに書いています。追記(2026年9月6日):アリエールの指定量を27mLから30mLに直しました(P&G公式のCare Hubで確認。詳しくは洗剤の値上げはいつから来るか)。粉末との比率もこの表で計算し直しています。
- 粉末は液体3点のあいだに収まりました。いちばん安くもいちばん高くもありません
- いちばん安いのは超濃縮の液体です。1gあたりはこの4点で最も高いのに、1回10gで済むため逆転します
- いちばん高いのは通常タイプの液体です(アリエール)。粉末の1.4〜1.5倍ほどでした
「粉末は安い」という説明のどこが間違っているのか
粉末が1gあたりで安いのは事実です。理由もそのとおりで、次の2つです。
- 水を運んでいません。液体洗剤は中身の相当量が水で、その輸送費を払っています
- 容器が紙箱です。プラスチックのボトルやスパウトパウチより安く済みます
間違っているのは、そこで話を止めることです。粉末は1回に30g使います。超濃縮の液体は10gです。1gが安くても、3倍使えば1回あたりでは高くなります。
これは単価が嘘をつく型の典型例です。単価は「同じだけ使う」ことを前提にした数字で、その前提が崩れると意味を失います。衣料用洗剤の詰め替え比較でも同じ注意を書いています。
それでも粉末を選ぶ理由はある
- 洗浄力です。粉末は弱アルカリ性で、皮脂汚れや泥汚れに強い部類です。費用ではなくここで選ぶ人がいます
- 通常タイプの液体よりは安く済みます。比較相手が超濃縮でなければ、粉末のほうが下です
- 値段が動きにくい。当サイトの記録では、この粉末は日ごとの振れが小さい部類です
粉末の弱点
- 低水温で溶け残ります。冬場の水道水では、溶けきらずに衣類に白い粉が残ることがあります
- ドラム式の少ない水量と相性が悪い製品があります。表示を確認してください
- 計量スプーンが要ります。液体のキャップより手間がかかります
- 洗い直せば水道代と時間がかかります。そうなると単価の差は消えます
粉末を使うなら、ぬるま湯で溶かしてから入れる、衣類の上に直接かけないの2つで、溶け残りはかなり減ります。
買う前に確認する3つ
- 1回の指定量。これを見ないと比べられません。パッケージの「水30Lに◯g」を探してください
- 洗濯機の種類と水温。ドラム式・冬の水洗いでは粉末の前提が崩れます
- 内容量。900g・1.2kg・大箱で1gあたりが変わります
まとめ
- 1回あたりは粉末約19.6円、超濃縮の液体約10.6円、通常の液体約27.5円(毎日更新)
- 「粉末は液体の半分」は成り立ちません。粉末は液体3点のあいだに収まりました(8月24日時点)
- 決めているのは形ではなく1回の指定量。10gから30gまで3倍ちがいます
- 1gあたりで比べると順序が逆になります。見るのは1回あたりです
- 同じことが柔軟剤でも起きています(柔軟剤は1ヶ月でいくらか)。水30Lでハミングとソフランは10mL、レノアハピネスは16mL。1本の量ではなく1回の量で決まります
結局どれを買うか
費用だけで選ぶなら超濃縮の液体です。値札も1gあたりも高く見えますが、1回10gなので洗濯1回では最も安くなります。ドラム式でも冬でも使えます。
皮脂汚れや泥汚れが多く、縦型でぬるま湯が使えるなら粉末。費用では中位ですが、洗浄力を理由に選ぶ価値があります。
計量そのものを省きたいならジェルボール。洗剤だけで比べると割高ですが、柔軟剤が入っている製品なら話が変わります(ジェルボールと液体洗剤は1回あたりどちらが安いか)。
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