この記事の結論
・「1歳までに何缶」は掛け算では出ません。1日に飲む量が月齢で変わるからです
・メーカーが数字を出しているのは生後1ヶ月までです。森永の公式コラムは「生後2週間〜1ヶ月は1回120mL前後・1日6〜7回」まで。そこから1歳までの曲線を公表しているメーカーは見つかりませんでした
・だから条件つきでしか書けません。1日800mLを12か月続けた場合で、大缶およそ50缶です
・そしてこれは足りない見積もりです。飲む量が減ると大缶を1か月で使い切れなくなり、小缶に替えることになります。小缶は1gあたりが高い
・つまり「後半のほうが1回あたりが高くなる」という形になります。総額を先に決めておくと、たいてい下振れします
・同じ量を飲んでも、銘柄で総額は数万円ちがいます(下の表は毎日更新)
「粉ミルクは1歳までに何缶いるのか」は、まとめ買いや予算を考えるときに知りたくなる数字です。ところが調べても、出てくるのは体験談ばかりです。
理由があります。誰も正確には出せないからです。この記事では、なぜ出せないのかを先に書いて、そのうえで「この条件ならこうなる」という形で出します。
メーカーが数字を出しているのは、生後1ヶ月までだった
森永乳業の育児情報サイトが、新生児期のミルク量の目安を公開しています。
| 時期 | 1回あたり | 1日の授乳回数 | 1日の合計(計算) |
|---|---|---|---|
| 産後〜生後1週間 | 10〜20mL | 8〜12回 | およそ100〜240mL |
| 生後1週間〜2週間 | 80mL前後 | 7〜8回 | およそ600mL |
| 生後2週間〜1ヶ月 | 120mL前後 | 6〜7回 | およそ780mL |
| 生後1ヶ月〜1歳 | 当サイトが探した範囲では、メーカーが公表している目安が見つかりませんでした | ||
表がここで途切れているのが、この記事のいちばん大事なところです。1歳までの11か月ぶんについて、「何mL飲むか」を数字で示している一次情報を、当サイトは見つけられませんでした。
当然だと思います。離乳食がいつ始まるか、どれだけ食べるか、母乳との混合かどうかで、まったく変わるからです。メーカーが一律の数字を出せる話ではありません。
⚠ だから当サイトも「1歳までに何缶」を断定しません。できるのは、自分の数字を入れれば出る形にしておくことだけです。
条件を置いて計算する
1缶で作れるのは、どの銘柄でもおよそ6,000mLです(粉ミルク代は1ヶ月でいくらかで各社の表示から出しました)。あとは割り算です。
| 1日に飲む量 | 12か月(365日)の合計 | 大缶(約6,000mL)で何缶 |
|---|---|---|
| 400mL | 146,000mL | 約24缶 |
| 600mL | 219,000mL | 約37缶 |
| 800mL | 292,000mL | 約49缶 |
| 1,000mL | 365,000mL | 約61缶 |
⚠ この表は「その量を1年間ずっと飲み続けたら」という計算です。実際にはそうなりません。新生児期は1日600mL前後、離乳食が進めば減ります。使うときは、自分が見ている月齢の量を入れて、その月ぶんだけ出すのが正しい使い方です。
掛け算では出ない、3つ目の理由
ここまでは「量が変わるから」という話でした。当サイトが見つけたのは、もう一段あとの話です。
粉ミルクの缶には「開封後は約1か月で使い切る」という案内があります。そして大缶は1か月で使い切れるかで書いたとおり、大缶(約6,100mL)を30日で割ると約203mL。1日200mLがちょうど分かれ目になります。
- 飲む量が減って1日200mLを下回ると、大缶は1か月で使い切れなくなります
- そこで小缶やスティックに替えることになります。小缶は1gあたりが高い
- つまり、飲む量が減る時期ほど「1回あたり」は高くなります
ここが直感と逆です。「量が減るから安くなる」と考えたくなりますが、1回あたりの単価は上がります。総額が減るのは事実でも、減り方は量の減り方ほどではありません。
だから、上の表で出した缶数から総額を作ると、たいてい下振れします。ミルクだけで数字を締めたい場合は、後半ぶんに少し上乗せしておくのが安全です。
同じ量を飲んでも、銘柄で総額が数万円ちがう
条件を1つに固定して並べます。1日800mLを365日、合計292,000mL。必要な粉の量は各社の調乳濃度で変わるので、銘柄ごとに計算し直しています。
| 銘柄 | 100mLに要る粉 | 必要な粉の総量 | 大缶で何缶 | 1歳までの総額 |
|---|---|---|---|---|
| 明治 ほほえみ 780g | 約13.5g | 約39,400g | 約51缶 | 約145,753円 |
| 森永 はぐくみ 800g | 約13g | 約38,000g | 約48缶 | 約115,683円 |
| 雪印ビーンスターク すこやかM1 800g | 約13g | 約38,000g | 約48缶 | 約154,592円 |
| 和光堂 レーベンスミルク はいはい 810g | 約13g | 約38,000g | 約47缶 | 約106,663円 |
| アイクレオ バランスミルク 800g | 約12.7g | 約37,100g | 約46缶 | 約136,515円 |
⚠ すこやかM1の総額だけは、いまの値で読まないでください。雪印ビーンスタークが2026年8月5日に「すこやかM1(大缶)」の販売一時休止を、8月25日にご注文制限を告知しています(同社お知らせ)。1年ぶんの総額は、1年間その値段で買えることが前提の数字です。買えない期間がある銘柄では、その前提が崩れます。
いちばん右の列は、当サイトが毎日取得している実売価格から自動で計算しています。だからいま見ている値です。いちばん安い銘柄といちばん高い銘柄で、数万円ひらきます。
缶数のほうは1割も違いません(46〜51缶)。粉ミルクは母乳の成分に合わせて濃度がほぼ決まっているので、必要な粉の量は銘柄で大きくは動かないからです。動くのは値段だけです。
⚠ 明治だけ缶が780gで、他社より1缶あたりが少なくなっています。2025年11月25日発売分から変わりました(→粉ミルクの内容量は減ったのか)。「同じ大缶」で数えると、ここでずれます。
「分母は何で決まるか」は、どのカテゴリでも同じ問題
この記事でやったのは、結局こういうことです。
- 粉ミルクの分母は「月齢」で決まります。だから一律の総額は出せません
- 洗濯洗剤の分母は「水量」で決まります。同じ洗剤でも3倍ちがいます(→洗剤の使用量は何で決まるか)
- おむつの分母は「サイズ」で決まります。1パックの枚数が36枚から160枚まで違います(→おむつ代は1ヶ月でいくらか)
どれも「1個いくら」では答えが出ない商品です。そして分母が何で決まるかは、カテゴリごとに違います。当サイトが記事のたびにメーカーの表示を確認しているのは、この分母を取り違えると結論そのものがひっくり返るからです。
⚠ この数字で銘柄を決めないでください
総額が数万円ちがうと書きましたが、それで銘柄を選ぶ話ではありません。
- 赤ちゃんが受け入れるかが先です。飲まなくなれば、その缶はまるごと無駄になります
- 各社で配合されている成分は同じではありません。差がすべて「ブランド代」だとは言えません
- 医師や助産師の指導がある場合は、その指示が優先されます
同じ立場は粉ミルクと液体ミルクの比較でも取りました。この記事の数字が役に立つのは、「予算をいくら見ておけばいいか」を知りたいときです。
まとめ
- メーカーが公表している目安は生後1ヶ月まで。1歳までの曲線は見つかりませんでした
- 1日800mLを12か月続けた場合で、大缶およそ50缶
- 1日400mLなら約24缶、1,000mLなら約61缶。1日の量がそのまま効きます
- 飲む量が減ると大缶を使い切れなくなり、小缶に替わって1gあたりが上がります。後半ほど1回あたりが高くなります
- 缶数は銘柄で46〜51缶と1割も違いません。違うのは値段のほうで、総額では数万円
- ⚠ 明治だけ780g。他社は800g前後です
結局どうするか
予算を立てるなら、1年ぶんを一度に見積もらないほうがいいです。いま飲んでいる量で1か月ぶんを出して、月齢が変わるたびに引き直すほうが当たります。
買い方も同じです。開封後は約1か月なので、1か月ぶんを超えて買う理由がありません。まとめ買いをするなら、上の表で出した1か月ぶんが上限です。
銘柄が決まっていて変えられないなら、この記事で使えるのは缶数の計算だけです。それでも、1か月に何缶いるかが分かれば、買い足しに行く回数は確実に減らせます。
商品情報の取得には 楽天ウェブサービス を利用しています。

