この記事の結論
・2026年に粉ミルクの値上げをメーカー自身が発表しているのは、5社のうち2社です。森永乳業(はぐくみ・2026年9月1日出荷分から)と、アサヒグループ食品(和光堂 はいはい・2026年6月1日納品分から)
・明治(ほほえみ)・雪印ビーンスターク(すこやかM1)・江崎グリコ(アイクレオ)は、2026年に価格改定を発表していますが、その対象に粉ミルクは入っていません(3社とも発表の原文で確認。2026年9月13日時点)
・森永の改定は希望小売価格ベースで約5%。改定日をまたいで実売を見ると、詰め替え(エコらくパック)は最安値が5.5%上がり、大缶800gは1円も動いていません(8月26日〜9月13日の19日間)
・はいはいは改定から3か月たった今、19日間1円も動いていません。値上げ後の水準で落ち着いています
・⚠ 「10月1日から粉ミルクが上がる」という話は、当サイトが確認した範囲では出どころがありません。10月1日の改定を発表しているビーンスタークとグリコの対象は、粉ミルク以外です
「粉ミルク 値上げ いつから」で検索すると、メーカー別のまとめがいくつも出てきます。ですが、並んでいる情報はメーカーの発表・新聞の報道・販売店の告知・SNSの投稿が混ざっています。去年の値上げと今年の値上げが同じページに載っていることもあります。
この記事は、当サイトが追跡している5社12点について「メーカー自身が2026年に発表しているもの」だけを切り分けます。そして毎日記録している楽天の最安値を、改定日をはさむ形で残しておきます。
5社の発表を、確認の度合いで分ける
| メーカー | 当サイトが追跡している銘柄 | 2026年の粉ミルクの値上げ | 情報の質 |
|---|---|---|---|
| 森永乳業 | はぐくみ | 2026年9月1日出荷分から。育児用ミルク17品 | 一次情報(同社リリースと別紙の一覧表を確認。品目ごとの改定額まで載っている) |
| アサヒグループ食品 | 和光堂 はいはい | 2026年6月1日納品分から。希望小売価格を約3〜27%引き上げ | 一次情報はブランド名まで(リリース本文は「和光堂」「ディアナチュラ」などブランド名を挙げるだけで、はいはいの名前は無い。日経が「粉ミルク」を対象と報じている) |
| 明治 | ほほえみ | 対象外 | 一次情報。2026年の改定は3回発表されているが、対象は常温クリーム類(3月)・栄養食品とスポーツ栄養(9月)・飲料とチョコレート(10月・11月)で、ほほえみは3回とも入っていない |
| 雪印ビーンスターク | すこやかM1 | 対象外 | 一次情報。10月1日納品分の改定はベビー用サプリメント1品・哺乳器3品・ベビーおやつ12品。⚠ 液体ミルク「すこやかM1」だけは7月1日納品分から改定ずみ(粉ミルクとは別の商品) |
| 江崎グリコ | アイクレオ | 一覧に無い | 一次情報。5月1日と10月1日の改定を発表しているが、「主な対象商品」の一覧に粉ミルクの名前は無い(菓子・加工食品・チルド・アイス・幼児食)。⚠ 「主な商品」の一覧なので「対象外」と言い切れない |
5社のうち、2026年に粉ミルクを上げたのは2社です。「粉ミルクが値上げされる」という言い方は、この状態をひとまとめにしています。自分の銘柄のメーカーがどちら側かで、話がまったく違います。
「対象外」と書いた3社について、「今後も上げない」とは書きません。この記事が言えるのは「2026年9月13日時点で、その3社が発表している改定に粉ミルクは入っていない」までです。
発表されていること(ここは当サイトの調べではありません)
森永乳業(はぐくみ)— 品目ごとの改定額まで公表されている
- 2026年7月30日に発表。改定日は2026年9月1日(火)出荷分から
- 対象はアイス15品・家庭用バター1品・家庭用チーズ20品・育児用ミルク17品・スキムミルク他8品。改定率は2.5〜6.7%
- はぐくみ エコらくパック つめかえ用(400g×2):希望小売価格 2,289円 → 2,403円(税別)、+114円=約5.0%
- はぐくみ 小缶(300g):1,156円 → 1,214円(税別)、+58円=約5.0%
- ⚠ はぐくみ 大缶(800g)は「オープン価格」で希望小売価格が無く、メーカー出荷価格を4.9〜5.0%改定とだけ書かれています。店頭でいくら上がるかは、この発表からは分かりません
- 液体ミルク(100ml×5)も 1,125円 → 1,181円(税別)で対象に入っています
出典:森永乳業「一部商品価格改定のお知らせ」(2026年7月30日)。品目ごとの金額は同ページから開ける別紙のPDFに載っています。
森永は珍しく、品目ごとの「現行」と「改定後」を円で公表しています。だから「約5%」を自分の銘柄の金額に直せます。詰め替え1パックで114円、小缶1つで58円(いずれも税別の希望小売価格ベース)です。
アサヒグループ食品(和光堂 はいはい)— ブランド名までで、品目は書かれていない
- 2026年2月26日に発表。改定日は2026年6月1日納品分から
- 対象は「菓子・ベビー関連商品・サプリメント類・健康食品など」で、対象ブランドとして「ミンティア」「和光堂」「ディアナチュラ」「クリーム玄米ブラン」などが挙げられています
- 改定率は希望小売価格を約3〜27%引き上げ
- ⚠ リリース本文に「はいはい」の名前はありません。「和光堂」というブランドまでです。粉ミルクが対象に入っていることは日本経済新聞の報道で伝えられています
- 同社は7月7日に「11月2日改定」も発表していますが、こちらの対象は和光堂の幼児食(グーグーキッチン)で、粉ミルクは入っていません
出典:アサヒグループ食品「一部商品の価格改定に関するお知らせ」(2026年2月26日)
⚠ 「3〜27%」は幅です。9倍ちがいます。はいはいがこの幅のどこにいるかは、発表からは分かりません。SNSや一覧サイトには「はいはい300gは◯円から◯円へ」という具体的な数字が出回っていますが、メーカーの発表にその数字は無いので、この記事では書きません。
明治・ビーンスターク・グリコ — 改定はあるが、粉ミルクは入っていない
- 明治:2026年は3回の改定を発表しています。7月28日発表分は栄養食品(メイバランス)とスポーツ栄養(ザバス)、8月18日発表分は飲料3品(10月1日出荷分から約16〜21%)とチョコレート・スナック11品(11月1日出荷分から約3〜8%)。ほほえみはどれにも入っていません。出典:明治「価格改定のお知らせ」(2026年8月18日)・同「価格改定および内容量変更のお知らせ」(2026年7月28日)
- 雪印ビーンスターク:8月5日に「2026年10月1日納品分より」の改定を発表。対象はベビー用サプリメント1品・哺乳器3品・ベビーおやつ12品で、粉ミルクは入っていません。出典:雪印ビーンスターク「一部商品における価格改定のご案内」(2026年8月5日)。⚠ ただし同社は液体ミルク「すこやかM1」を7月1日納品分から改定しています(同・2026年6月15日)。粉ミルクと液体ミルクは別の商品です
- 江崎グリコ:2月27日発表(5月1日改定)と7月10日発表(10月1日改定・169品)の2回。10月1日分の「主な対象商品」は菓子・加工食品・チルド食品と飲料・アイスクリーム・ベビー用食品(1歳からの幼児食・毎日ビテツ)で、アイクレオの名前はありません。出典:江崎グリコ「一部商品の価格改定のお知らせ」(2026年7月10日)
「10月1日」という日付だけを見て「粉ミルクも上がる」と読むと間違えます。10月1日に改定するメーカーは粉ミルクの5社のうち3社(明治・ビーンスターク・グリコ)ありますが、3社とも粉ミルクは対象に入れていません。
⚠ 出荷価格が上がっても、店の値段が同じだけ上がるとはかぎらない
メーカーが発表するのはメーカーから店に卸すときの価格か希望小売価格で、店が客に売る値段は店が決めます。当サイトはカテゴリごとに「発表」と「実売」を突き合わせてきましたが、結果はばらばらです。おむつでは報じられた幅と実売がほぼ一致し、トイレットペーパーでは15%以上の改定のあとでも単品は1円も動きませんでした。
だから粉ミルクも、発表と実売を分けて見ます。
いま記録している粉ミルク12点
分母を先に書きます。明治の2点(旧規格の大缶・らくらくミルク)は2026年8月15日から、それ以外の10点は2026年8月26日〜27日から、1日1回、楽天市場の最安値を記録しています。森永の改定日(9月1日)をまたいで19日間、和光堂の改定日(6月1日)からは3か月後の記録です。⚠ 和光堂については「改定前」の記録を持っていません。当サイトが記録を始めたのが改定のあとだからです。
| 銘柄 | 2026年の値上げ | いまの実質価格 | 100gあたり |
|---|---|---|---|
| 森永 はぐくみ 大缶 800g | 9/1出荷分から | 2,438円 | 約305円 |
| 森永 はぐくみ エコらくパック つめかえ用 400g×2 | 9/1出荷分から | 2,442円 | 約305円 |
| 和光堂 はいはい 810g | 6/1納品分から | 2,276円 | 約281円 |
| 和光堂 はいはい 小缶 300g | 6/1納品分から | 1,001円 | 約334円 |
| 明治 ほほえみ 大缶 780g(現行) | 対象外 | 2,884円 | 約370円 |
| 明治 ほほえみ 大缶 800g(旧規格・在庫限り) | 対象外 | 3,485円 | 約436円 |
| 明治 ほほえみ らくらくキューブ 540g | 対象外 | 2,053円 | 約380円 |
| 明治 ほほえみ らくらくキューブ 108g | 対象外 | 494円 | 約457円 |
| 雪印ビーンスターク すこやかM1 大缶 800g | 対象外 | 3,258円 | 約407円 |
| 雪印ビーンスターク すこやかM1 小缶 300g | 対象外 | 1,268円 | 約423円 |
| アイクレオ バランスミルク 800g | 一覧に無い | 2,945円 | 約368円 |
| 明治 ほほえみ らくらくミルク 240ml×24本(液体) | 対象外 | 7,089円 | 約123円(100mlあたり) |
⚠ 最後の1行だけ液体ミルクです。100mlあたりの値段で、粉の100gあたりと並べて比べるものではありません。粉と液体をできあがりの量でそろえて比べた結果は粉ミルクと液体ミルクはどちらが安いかに書いています。
改定日をまたいで、実売はどう動いたか
2026年8月26日から9月13日までの19日間、楽天の最安値(表示価格)の動きです。
| 銘柄 | 19日間の動き | 読み方 |
|---|---|---|
| 森永 はぐくみ エコらくパック つめかえ用 | 9月3日までの最安値から、9月4日の最安値へ +5.5% | 森永の改定率(約5.0%)とほぼ同じ幅。⚠ ただし9月3日までの出品と9月4日からの出品は別の店で、「同じ店が値札を上げた」のか「安い出品が消えた」のかは、この記録からは分からない |
| 森永 はぐくみ 大缶 800g | 1円も動かず | 同じ森永の同じ改定なのに、大缶は改定日を12日過ぎても動いていない。オープン価格なので、店が卸値の上昇をいつ載せるかは店しだい |
| 和光堂 はいはい 810g/300g | どちらも1円も動かず | 改定から3か月。値上げ後の水準で落ち着いている |
| 明治 ほほえみ 780g/800g(旧)/キューブ540g | 1円も動かず | 発表どおり、動く理由が無い |
| アイクレオ バランスミルク 800g | 1円も動かず | 同上 |
| 雪印ビーンスターク すこやかM1 大缶/小缶 | 大缶 −5%、小缶 −12% | ⚠ 同社は8月5日に大缶の販売一時休止、8月25日に注文制限を告知している。品薄のはずの商品の最安値が下がっているのは、出品している店が入れ替わっているため。値下げと読まないほうがよい |
| 明治 らくらくミルク(液体) | −4% | 出品の入れ替わり |
| 明治 らくらくキューブ 108g | 4%上がって、戻った | 一時的 |
12点のうち、上がって戻らなかったのは森永の詰め替え1点だけです。7点は19日間1円も動かず、下がったのが3点、上がって戻ったのが1点でした。
いちばん目を引くのは、森永の大缶と詰め替えで動きが割れたことです。同じメーカーの同じ日の改定でも、希望小売価格が設定されている詰め替えは改定幅どおりに動き、オープン価格の大缶は動いていません。希望小売価格がある商品は、店がそれを目安に値札を書き換えます。オープン価格の商品は、店が仕入れ値の上昇をいつ載せるかを自分で決めます。「発表があったのに上がらない」のは、店がまだ載せていないだけかもしれません。
⚠ 19日という分母では、「動かなかった」以上のことは言えません。大缶が10月に入ってから上がる可能性はあります。この12点は今後も毎日記録します。
追記(2026年10月9日時点):10月に入ってからも、森永の大缶は1円も動いていません。改定日(9月1日)から40日間、記録した値段は一度も変わらず同じ水準です。一方、詰め替えは改定後に上がった水準からさらに動き、40日間で最初の記録より約8.5%高くなっています。希望小売価格がある詰め替えと、オープン価格の大缶の差は、1か月半たっても埋まっていません。
値上げの前にやっておくといいこと
粉ミルクは、値上げ幅より先に確かめることが2つあります。
1つめは、自分の銘柄のメーカーがどちら側かです。この記事の1つめの表のとおり、2026年に上げたのは森永と和光堂の2社で、明治・ビーンスターク・グリコは上げていません。「粉ミルクが値上げ」というニュースを見ても、ほほえみやすこやかやアイクレオを使っている人は、いま動く理由がありません。
2つめは、大缶が開封後どれくらいで使い切れるかです。粉ミルクの大缶は1ヶ月で使い切れるかで確かめたとおり、缶には「開封後は約1か月で使い切る」という案内があります(雪印ビーンスタークの案内で確認)。だから買いだめは「未開封のまま賞味期限内に使い切れる缶数」までです。森永の改定率は約5%。大缶1缶で税込換算100〜200円ほどの差です。それを超えて買っても、使い切れなければ差は消えます。
もう1つ、値上げより先に効く見直しがあります。上の表の「100gあたり」の列を見ると、同じ「大缶」でも銘柄によって1.5倍ほど開いています。5%の値上げより、その差のほうが大きい。銘柄を変えられる時期の人は、値上げの有無より上の表の「100gあたり」の列を見るほうが効きます。⚠ ただし乳児用ミルクは銘柄の切り替えに慣らしが要ることがあるので、小缶やスティックで試してからにしてください。
そしてもう1つ。粉ミルクの内容量は減ったのかで書いたとおり、明治ほほえみの大缶は2025年11月から800gが780gになっています。値上げの発表は無くても、1缶の中身が減っていれば100gあたりは上がります。上の表の780gと800gの行を100gあたりで見比べると、その差が出ています。
まとめ
- 2026年に粉ミルクを値上げしたメーカーは、5社のうち森永乳業(9月1日出荷分から)と和光堂(6月1日納品分から)の2社
- 明治・雪印ビーンスターク・江崎グリコは2026年に価格改定を発表しているが、粉ミルクは対象に入っていない(3社とも原文で確認)
- ⚠ 「10月1日から粉ミルクが上がる」の出どころは確認できなかった。10月1日に改定する3社とも、対象は粉ミルク以外
- 森永は品目ごとの改定額を公表している。詰め替え+114円、小缶+58円(税別の希望小売価格)。大缶はオープン価格で出荷価格4.9〜5.0%
- 改定日をまたいだ19日間、森永の詰め替えは最安値が5.5%上がり、大缶は1円も動いていない
- はいはいは改定から3か月、19日間1円も動いていない
- いまやるべきは買いだめではなく、自分の銘柄のメーカーがどちら側かを確かめること
結局どうするか
はぐくみを使っている人は、大缶がまだ動いていない今のうちに、未開封で使い切れる分だけ前倒しする意味があります。改定率は約5%で、大缶1缶あたり100〜200円ほどの話です。賞味期限内に使い切れる缶数を超えないでください。
はいはいを使っている人は、値上げはもう3か月前に終わっています。いまの値段が今後の値段です。前倒しする理由はありません。
ほほえみ・すこやか・アイクレオを使っている人は、いま動く理由がありません。発表されていないものを「上がる前に」と買うのは、ただの前倒しです。必要になってから買えば足ります。
この12点は今後も毎日記録します。森永の大缶が10月に入ってから動くのか、それとも動かないままなのかは、あらためて測り直して書きます。
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