この記事の結論
・当サイトは記事を直したとき、本文に訂正として残しています。その記録を数え直したら45本にありました
・並べると、間違いには型がありました。思いつきで間違えているのではなく、同じ形を繰り返しています
・いちばん多いのは「カテゴリ共通の数字を、確かめずに当てはめた」型です。粉ミルクを全社「13g」、洗剤を全部「1回25g」で計算していました
・次が「メーカーがそう言っている」と読める書き方をしたのに、確かめていなかった型。そしてその逆(「メーカーは公表していない」)も同じだけ危ないと分かりました
・⚠ この6つは、読む人が自分で比べるときにも起きます。だから一覧にしました
当サイトは日用品の価格を比べる記事を160本以上書いてきました。そのあいだに、何度も間違えています。
間違いに気づいたときは、記事を黙って書き換えるのではなく本文に「訂正します」と残すことにしています。その記録が45本たまりました。
並べてみると、同じ形を繰り返していました。読む人が自分で比べるときにも起きる型なので、一覧にします。
型1:カテゴリ共通の数字を、確かめずに当てはめた
いちばん多い型です。「このカテゴリならだいたいこれくらい」で分母を置いてしまうことで起きます。
- 粉ミルクを全社「100mLに13g」で計算していました。明治ほほえみのスプーンは1杯2.7gで、13.5gです。他社は2.6g(→ 粉ミルク代は1ヶ月でいくらか)
- 洗濯洗剤を一律「1回25g」で計算していました。実際はアタックZEROが10g、アリエールが30mL、部屋干しトップが30gで3倍ちがいます(→ 洗濯洗剤は液体と粉末どっちが安いか)
- 加湿器の除菌剤を「タンク4Lに20mL」で計算していました。メーカーの表示は10mLで、2倍多く見積もっていました
濃縮タイプがあるカテゴリでは必ずずれます。洗剤・柔軟剤・食器用洗剤・シャンプーは、同じ棚の中に「1回10mL」と「1回30mL」が並んでいます。分母は商品ごとに確かめるしかありません。
型2:「メーカーがそう言っている」と読める書き方をしたのに、確かめていなかった
こちらは文章の書き方から来る型です。「一般に〜とされています」「メーカーの目安も同程度です」と書くと、誰かが言ったことのように読めます。
- 日焼け止めについて「翌シーズンへの持ち越しは推奨されていません」と書いていました。確かめたら、メーカーはそう書いていませんでした(→ 日焼け止めは1日あたりで比べる)
- 糸ようじについて「1本を約1週間=7回。メーカーの目安も同程度です」と書いていました。デンタルプロは公表していません。しかもその7回が結論の全部でした(→ 糸ようじと歯間ブラシ)
- 歯ブラシについて「各社が1か月を目安としています」と書いていました。誰が言ったのかを確かめていませんでした(→ 歯磨き粉と歯ブラシ)
- メイク落としシートについて「一般に毎日の常用は勧められず」と書いていました。メーカーはそう書いていません(→ メイク落としシートは本当に割高か)
見分け方があります。「推奨されています」「とされています」「目安とされ」と書いたら、その場で「誰が言ったか」を答えられるか自分に聞くことです。答えられないなら、それは自分の推測です。
型3:その逆。「メーカーは公表していない」も確かめていなかった
型2より気づきにくいのがこちらです。「公表されていません」と書くと、正直に書いた気になります。ところがこれも、確かめなければ同じ誤りです。
- トイレ用洗剤について「花王は1回の噴射量を公表していません」と2本の記事に書いていました。花王プロフェッショナル・サービスの業務用ページに、mLが併記されていました(→ トイレスタンプは洗剤の何回分か)
- 食器用洗剤の泡スプレーについても「1プッシュの量は公表されていません」と書いていました。ライオンの製品Q&Aに書かれていました(→ 食器用洗剤の泡スプレーは割高か)
- カミソリの替刃について「メーカーは回数を公表していません」と書いていました。シックは公表しています(→ カミソリの替刃はなぜ高いのか)
この型が危ないのは、確かめ終われないからです。「言っている」は原文を引けば終わりますが、「言っていない」は”見つけられなかった”で止まります。だから正直に書いた気になって、二度と戻りません。いまも止まったままの例があります。コロコロのスペアテープは1回の掃除で何周使うかを当サイトは見つけられておらず、だから1周あたりは出せても、1回あたりは出せていません。
3件とも、探した場所は「消費者向けの製品ページ」だけでした。メーカーは同じ数字を、業務用ページや製品Q&Aに置いています。探す順番は、①業務用・プロ向けサイト ②製品のFAQ ③SDS ④発売時のリリース ⑤小売の調査、です。
型4:規格違いの商品を拾っていた
- トイレットペーパーを「1ロール25m」で計算していました。25mなのは上位ラインの「Theエリエール」で、通常品は30mです(→ トイレットペーパーとティッシュの単価比較)
- ラップで、幅違いの商品を記録していました。「業務用は安い」ではなく、安く見えたのは別の幅でした
- 粉ミルクの大缶を「800g」として9か月追い続けていました。現行品は2025年11月25日発売分から780gです(→ 粉ミルクの内容量は減ったのか)
規格が変わったことを、メーカーの発表で確かめようとしても見つからないことがあります。当サイトが見張っている77社のうち、「内容量変更のお知らせ」を単独で出すのは小さいメーカーだけでした。大手は「リニューアル新発売」のリリース本文に新しい内容量を書くだけです(→ メーカーの値上げ発表は、探しても見つからないことがある)。
この型は、読む人にも同じ頻度で起きます。検索結果には別の規格が混ざるからです。当サイトが数えたところ、規格を検索語に入れても6カテゴリ中4つで混ざり、「7L」で引くと2.7Lが最安・先頭に来ることがありました。
型5:物差しを、使用量と取り違えた
ひとつだけ、型として独立させる価値のある間違いがあります。
食器用洗剤を「1回5mL」で計算していました。花王の表示は「ぬれたスポンジ等に適量(1〜2mL)」で、5mLは同じ案内の中にある「参考:料理用の小さじ1杯は約5mL」という物差しのほうでした。
「メーカーの表示から取った」と言えてしまうのが、この型の怖いところです。取ったのは使用量ではなく、物差しでした。同じ案内の中に両方が並んでいます(→ 食器用洗剤の詰め替えを実質価格で比較)。
型6:自分の別の記事と食い違っていた
- スポンジの持ちを、2本の記事で違う月数にしていました。片方はキクロンの「長くても1か月に1度は取り替える」を引いているのに、もう片方は3個パックを「約4か月」=1個1.3か月で割っていました(→ 一人暮らしの日用品は1ヶ月いくらか)
- 同じ日に書いた姉妹記事で、計算方法そのものが違っていました。片方は品目ごとの加重平均、もう片方は単純平均。「持ちの長さで割り戻す」という同じ日本語が、2本で違う計算を指していました
同じ商品の分母が記事によって食い違っていたら、どれかが間違っています。読む人にとっても、同じサイトの中で数字が違っていたら、そこは疑ってよい場所です。
読む人が使える形にすると
- 分母は商品ごとに、パッケージで確かめる。「このカテゴリならこれくらい」は、濃縮タイプがあるだけで崩れます
- 「メーカーが言っている」と読める話は、出典まで見る。逆に「公表されていない」と書いてある話も、業務用ページやFAQには載っていることがあります
- 規格は商品名の数字で確かめる。検索結果には別の規格が混ざります。楽天の商品名は30日で121点も変わっています。同じ商品でも、見るタイミングで違う名前が出てきます
- 同じ案内の中に「使用量」と「参考の物差し」が並んでいることがあります。どちらを取ったか意識してください
- ⚠ 当サイトの数字も、この45件のように間違っていることがあります。だから前提と確認日を書くようにしています
⚠ この記事が答えられないこと
- 「45本」は訂正と読める書き方を拾った数です。厳密な訂正だけを数えたわけではありません
- まだ気づいていない間違いは、当然この中に入っていません
- ⚠ 型の分け方は当サイトの整理です。別の分け方もできます
まとめ
- 訂正の記録が45本にあった。並べると型があった
- 最多は「カテゴリ共通の数字を当てはめた」型
- 「メーカーが言っている」と「メーカーは公表していない」は、同じだけ危ない
- 物差しと使用量、規格違い、自分の別記事との食い違い
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