この記事の結論
・コーヒー豆の相場は、2026年2月に下げへ転じたと報じられました。ブラジルの増産で6年ぶりの需給緩和。ただし「1杯の値段は高止まりが続く見通し」とされています(日本経済新聞)
・では通販の値段は下がったのか。当サイトが毎日記録している2026年8月14日〜23日の10日間、コーヒー3点はほぼ動きませんでした(1点が0.9%下がっただけ)
・相場が下がっても、店の値段はすぐには下がりません。小売価格を動かすのは相場ではなく、メーカーの出荷価格改定と、店の在庫だからです
・そして値下げの発表は、値上げの発表ほど大きく報じられません。だから「いつ下がるのか」は検索しても出てきません
「コーヒーの値上げはいつまで続くのか」。2024年からの高騰が続いたあと、いちばん多く調べられている問いです。
検索すると出てくるのは、相場の解説と、焙煎店が自店の値上げを知らせるお知らせです。「では、いま通販でいくらなのか。下がってきているのか」を測ったものは見つかりません。
当サイトは楽天市場の実売価格を毎日取得しています。コーヒー3点の値段が10日間でどう動いたかを、そのまま出します。
報じられていること(ここは当サイトの調べではありません)
- コーヒー豆の相場は2026年2月に下げへ転じたと報じられました。主要生産国ブラジルの大幅な増産により、6年ぶりに需給が緩む見通しです(日本経済新聞・2026年2月)
- ただし同じ記事で「1杯の値段は高止まりが続く見通し」とされています
- メーカー側では、UCCが2026年3月1日出荷分からレギュラーコーヒーの一部を改定したと伝えられています
つまり「相場は下がり始めたが、店頭は下がらない」と、報道の側もあらかじめ言っています。この記事は、その予告が実際どうなっているかを見るものです。
当サイトが測ったこと(10日間・コーヒー3点)
分母を先に書きます。2026年8月14日から23日までの10日間、1日1回、楽天市場の最安値を記録したものです。相場が転じたとされる2月(前掲・日経)とは比べられません。当サイトの記録はまだそこまで遡れません。
| 商品 | 形 | 10日間の動き | いまの実質価格 |
|---|---|---|---|
| ネスカフェ ゴールドブレンド 詰め替え 95g | インスタント | 1円も動かず | 1,089円 |
| ドトール ドリップパック 深煎りブレンド 100杯 | ドリップパック | 0.9%下がった | 3,692円 |
| カークランド ハウスブレンド 1.13kg | 豆 | 1円も動かず | 5,228円 |
豆に近い形の商品ほど相場の影響を受けるはずですが、その豆(1.13kg)がまったく動いていません。
ちなみに当サイトが追跡している165点のうち、この10日間で値段が動いたのは29点(約18%)でした。コーヒーだけが特別に静かだったわけではありません。
⚠ 追記:ネスレは値上げを発表していた。ただし対象は瓶だった
この記事を書いたあと、メーカーの発表そのものを当たり直しました。ネスレ日本は2026年6月1日に、飲料製品の価格改定を発表しています。実施は2026年8月1日納品分から。上の10日間の測定は、その2週間後です。
- 対象は6品。ネスカフェ ゴールドブレンド 80g/120g、同 コク深め 80g/120g、同 香り華やぐ 80g、ネスカフェ アイスブレンド 80g
- 「店頭価格の想定上昇率:約14%」と書かれています
- 理由はコーヒー豆の価格が引き続き高止まりしていること、長期的な円安、包装材料やエネルギーのコスト上昇
この6品に、当サイトが上で測った「詰め替え 95g」は入っていません。対象はすべて瓶です。つまり上の「1円も動かなかった」は、正しくは「値上げの対象外だった商品が動かなかった」ということになります。訂正して書き直します。
そしてこの発表には、他社に無い特徴があります。「店頭価格の想定上昇率」を数字で出していることです。当サイトがこれまで読んだ改定の発表は、ほとんどが「出荷価格」までしか書かず、多くは「店頭価格は販売店様により異なります」と付け加えています。ネスレは、買う側が実際に払う金額の見込みを出している数少ない例です。
⚠ もう1つ、この記事の前提に関わることがあります。上で引いた報道は「豆の相場は2月に下げへ転じた」ですが、ネスレ自身は6月の発表で「コーヒー豆の価格が引き続き高止まり」と書いています。どちらが正しいかを当サイトは判定できません。言えるのは、相場の話とメーカーが値段を決める根拠は、同じ方向を向いていないということだけです。
当サイトは対象になった瓶(80g・120g)も毎日記録しはじめました。次はそちらで測ります。
追記(2026年10月8日):対象の瓶も、47日たって動いていない
記録を始めてから47日がたちました。80g瓶(id=168)は直近30日間、価格が1種類のまま一度も変わっていません。いまの実質価格は1,066円で、記録を始めた日とほぼ同じ水準です。120g瓶(id=169)はわずかに動きましたが、こちらも「約14%」に見合う上昇ではありません。
⚠ 改定日(8月1日納品分)からは2か月以上たっています。紙製品・洗剤・ペットフードで見た「改定から数週間のラグ」よりも、すでに長い期間です。「想定上昇率14%」という、メーカー自身が出した数字つきの改定でさえ、通販の最安値には出ていません。この80g瓶はいま出品している店が少なく(別記事でOUTLIER・1店最安と確認済み)、1店の値付けが変わらないかぎりこの記録も動かない可能性があります。
相場が下がっても、店の値段がすぐ下がらない理由
相場と小売価格のあいだには、いくつも段があります。
- 生豆の相場が動く
- メーカーが仕入れる。ただし手当ては何か月も前に済んでいます
- メーカーが出荷価格を決める。ここが動かないかぎり、下の段は動きません
- 卸と店に在庫が入る
- 店が値札を決める
値上げのときは、この流れが「出荷価格改定のお知らせ」として発表されます。だから検索すれば日付が出てきます。
ところが値下げのときは、同じようには発表されません。下がるとしても、まず特売や店ごとの値引きという形で現れます。「いつ下がるか」を調べても答えが出てこないのは、そもそも誰も発表しないからです。
だから下がったかどうかは、値札を毎日見るしかありません。当サイトがやっているのはそれだけです。
いま買うか、待つか
当サイトが数字で言えるのは、ここまでです。
- 10日間では下がっていません。待てば下がるという材料は、いまのデータにはありません
- 相場が下げに転じても、小売に出るまでには段があります。出るとしても、まず特売の形で来ます
- 逆に、また上がる材料も見えていません。当サイトはまだ10日ぶんしか持っていません
待つより効くのは、形を変えることです。同じ「コーヒー」でも、インスタント・ドリップパック・豆で1杯あたりが大きく違います。1杯あたりいくらかを3つの形で比べた記事に数字を出しました。相場が下がるのを待つあいだに何十杯も飲むなら、そちらのほうが先に効きます。
同じことを紙と洗剤でもやりました
「発表と実売がずれる」のはコーヒーだけではありません。
- トイレットペーパーは8月1日納品分から15%以上の値上げが公表されていましたが、8月後半の10日間、単品パック3点は1円も動きませんでした
- 洗剤は改定が10月1日出荷分からで、まだ来ていません。12点のうち11点が動いていない状態を記録しました
3カテゴリで同じ形が出ました。「出荷価格の改定」と「値札が動く日」は、別のものです。
まとめ
- ⚠ ネスレ日本は2026年6月1日に、ゴールドブレンドの瓶など6品を8月1日納品分から値上げすると発表していた(店頭価格の想定上昇率 約14%)。当サイトが測った詰め替え95gは、その6品に入っていない
- 豆の相場は2026年2月に下げへ転じたと報じられた。ただし「1杯は高止まり」との見通し付き。⚠ ネスレ自身は6月の発表で「豆は引き続き高止まり」と書いている
- 8月14日〜23日の10日間、コーヒー3点はほぼ動かなかった(1点が0.9%下げ)
- 豆そのもの(1.13kg)も1円も動いていない
- 値上げは発表されるが、値下げは発表されない。だから「いつ下がるか」は検索しても出てこない
- 待つより、形(インスタント・ドリップ・豆)を変えるほうが早く効く
結局どうするか
毎日飲むなら、待たずに1杯あたりの安い形へ替えてください。相場が下がるのを待つあいだにも、毎日1杯ぶんの差が積み上がります。
いまの形を変えたくないなら、ふつうに買ってください。10日間の記録では値段は動いていません。買い急ぐ理由も、待つ理由も出てきません。
商品情報の取得には 楽天ウェブサービス を利用しています。

